約2500年前に釈尊が立てた「全ての存在が最終的にすべての苦しみから解放されるにはどうしたらよいか」という普遍的な問いに対して、仏法の教えは先人たちにより探求され継がれてきました。
こうした仏法の教えは、現代の予測不可能で不透明かつ複雑な課題が多く存在するVUCAの時代においても、多視点からの解決策を提示し、身体や意識、思考のあり方について多くの示唆を我々に与えてくれます。

芸術というシステムは有機的システムであると捉えられ、従来の科学的枠組みの中で捉えるだけでは、本来持つ本質的価値を瓦解させてしまう可能性があります。アート×システムゼミでは、システム理論やシステム思考を基礎として、フッサールやメルロ=ポンティの視点や、仏教等の東洋的視座も取り入れることで、芸術をホリスティックな有機的システムと捉え、構成要素間や外界との動的相互作用を全体的に観察・分析することで、その全体的理解をうること、そしてひいては心と身体の統合という課題への糸口を見出すことを目的とします。